吉田高等学校1978

ポケットの奥にしまったまま

君の名前を
何度も心の中で呼んでいた

声にすれば 何かが壊れそうで
ただそっと 飲み込んだ夕暮れ

同じ教室にいるのに
君はいつも遠くて
届きそうで 届かない
春の風みたいだった

誰よりも 君を見ていたはずなのに
君の視線は いつも別の誰かを追っていた

一緒に笑ったこともあった
目が合って 逸らした日もあった
でも、
“好き”のひと言だけは
ずっと ポケットの奥にしまったまま

卒業アルバムの写真の中
君は何も知らない顔で 笑っている
それでいい、って
思おうとしたけど
やっぱり
少しだけ、苦しかった

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