吉田高等学校1978

ふとした風の匂い

教室の窓から見えた あの空は
いま思えば やけに広くて青かった

名前を呼ぶだけで
胸が跳ねた日があった

手を伸ばせば届きそうで
でもあと一歩が踏み出せなかった
放課後の帰り道

誰かと笑いすぎて 涙が出たことも
理由もわからず 黙って泣いたことも
ぜんぶ、ぜんぶ、青春の味がした

甘くて、すこしだけ苦い
まるでまだ熟しきらない果実のように

あの時間は戻らないけれど
ふとした風の匂いに
今もふいに あの日の僕らが
胸の奥で、笑いかけてくる

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